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後どれくらい時間が残っているのだろう。
正宗に頼んで店員に訊いてもらおうかと思ったが、焦げた肉などをむさぼるのに夢中のようなので、仕方なく自分で訊くことにした。
それを訊いた後、私ももう少し食べようと空いた皿を持ちケーキを取りに行った。
ちなみに後、1時間くらいはあると店員は言っていた。
「あー。腹いっぱいだ」
と、正宗は私と一緒に外を歩きながら言った。
約束通り食べ放題の代金は彼が払ってくれた。
この後どこに行くのだろう、と思っていると、
「どこかで休憩しようか」
私は頷くと、
「ホテルに行こう?」
と誘われた。
きた。
と私は思いながら再び「うん」と頷いた。
私の方もまんざらでもなかった。
その証拠に身体の中心部分が熱くなったのを感じたから。
いつからこんな誰にでも抱かれる女になってしまったのだろう…。
思い起こせば確かあれは、中学3年の夏。当時付き合っていた彼氏と夜な夜な抱かれていた記憶がある。それも真っ暗になった近所の公園の茂みの中で。
そんなことを思い出すだけで私は興奮し、いつしか今のような身体になってしまったのだと思う。
正宗は国道を走る空車のタクシーを停め、私を先に乗せてその後に彼が乗った。
正宗は恥じらいもなく運転手に、
「ホテル街まで」
慣れた様子でそう言った。こちらの方で赤面しそうなくらいに。
ホテルに到着して部屋に入る時も彼は私を先に入れてくれた。
意外とレディーファーストなのだろうか。それとも、ただ女の子の扱いに慣れているだけなのだろうか。
部屋に入ってからシャワーを浴びる時も、
「先に入っていいよ。レナのバッグを盗んで逃げたりとか、そんなことはしないから安心して」
私はそんなことなど考えていたわけでもないので、苦笑しながら浴室へと先に入った。
シャワーを浴びている間思ったことがある。
正宗はナンパをするくらいだから軽い性格かもしれないが意外と優しくて紳士なのかも、と。今まで私が知っている男共とは少し違うのかも。
その後彼もシャワーを浴び、想定通り私は抱かれた。
だがその行為は今までにない、私の身体をつらぬくような快感だった。
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