第2章 これは片思いなの?それとも私はただの性のはけ口?

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 高校生の頃の出来事―――。    私は毎日違う男子と帰りを共にしていた。割と学校から自宅までは近い距離にあったので、私の家で彼らと雑談していた。 そして、夜になると親の目を盗んでは家を出ていき、毎日のように公園の茂みの中で情事を重ねていた。中学3年の頃と同じ場所で。  ある夜の事。 私はいつものように男子と性交をしていると、茂みの外で人の気配がしたので私は慌てて制服を着た。 今の誰? と男子に訊いてみると、隣のクラスのやつだ。名前はわからないけど。 という返答だった。 私はマズイなぁ…と思ったが後のまつり。  次の日には女の子の友達に、 「結子、昨日公園で何してたの?」とか、 突然背後から、 「この、好きもの!」 と、罵声を浴びせられたこともあった。 そしてその日は酷く傷ついた。もうあんなマネ二度とするか!と。  でも無常なもので、月日が経つ内に私の心の傷は次第に癒えていった。  しかし、私を抱いた男子達はあの一件以来私に近づこうとはしなかった。 私はそれでもいいと思って違う学年や出会い系で見つけた男達と寝た。  きっと、その事も噂になっていたのかもしれないと今になって想う。  それでもそんな事を知ってか知らずかわからないが、小学校から高校まで一緒の赤木美里と森口和(カズ)は変わらない態度で接してくれた。 それが私にとってはとても嬉しかった。 2人は親友と呼べるとも思った。  これが高校の頃の思い出の一部。  そういった事を思い返してみると、2人に相談してもいいのではないかと思った。 ―――翌日の月曜日。  私は朝9時頃に目が覚めた。 まずは、いつものようにシャワーを浴び、遅い朝食をパン1枚ではあるが食べた。  カズの職業は土木作業員なので、今日は天気も良いしきっと仕事だろう。  美里は美容師で彼女のお店は今日は休みなはず。壁の時計に目をやると、今は10時前。  彼女に電話してみることにした。  それから約1時間後。久しぶりに話したせいかついつい長話になってしまった。  来週にでも帰る旨を話し、ちょっと相談があるという事も伝え、その時はカズも誘おうと言った。  電話を切る時は不安と、会えるという楽しみな気持ちが交錯していた。
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