はじめにして終わり

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ホテルに帰り、 即効でまた交わる。 彼女に手を伸ばすと鋭く「いいから!」と制される。 覆いかぶさる髪に隠れたその顔は影になっていて、 表情が全く見えず、 とても恐ろしい。 ただ、 焦らされた私が切ながる時など、 真夜中の海から昇る下弦の月のように笑っているのが見える。 極度の冷え性らしく、 指はつららのように冷たい。 でも舌は溶けた蝋のように熱い。 氷柱を差し込まれながら蝋の雫を垂らされる。 冷たさと熱さが隣り合って巧妙に刺激を与え絶頂に導く。 私の好きな、 パパナッシュというルーマニアのお菓子を食べているようだ。
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