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分かっていた。
だからお互いまさにベッドで「死力を尽くして」いるのだ。
「時間がないの。
もう44歳だよ。
私は私にふさわしい人を探さなくてはならない。
そのために離婚までしたのだから」
ええ、
私は貴方にふさわしくない。
テーブルの下で震える自分の指と膝を見つめ、
猛烈に後悔する。
打ちのめされた様子の私に同情したのか、
彼女は“Real love is real scary”と呟いた。
その目に漂う絶望感。
違う、
それは私自身が浮かべている絶望の色。
ホテルに帰る。
最後の夜に耐えられないので、
それはますます狂宴の様相を呈してくる。
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