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2013年10月12日午後9時20分。
私たちは会った。
2013年10月12日午後9時21分。
彼女は私に恋をした。
2013年10月13日午前9時15分。
私も彼女に恋をした。
そして、
そのことをむきになって否定しあっているうちに彼女は恋人を作った。
扉が閉まり、
その扉にすがりついて声を殺して泣いていると、
それを見越したように(ああ、
どうして分かったの?)隙間から一枚の航空券が落ちてきて、
ここに至る。
こんな小説があった。
三島由紀夫の「春の雪」
なぜ、
松枝清顕は初めから聡子を自分のものにしないのだろう?
聡子が皇族と婚約した後になってやっと彼女を抱くのだろう?
なぜ恋が「禁断」となってから、
全身でそれに殉じるのだろう?
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