わたしたちの失敗(2)

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「本題に入ろ」わたしは気を取り直した。「ただその前に言っときたいんだけど……」 「なに?」 「わたしと彼女の仲を取り持とうとするのはやめて」 「……なんで?」 「杉本くんはあの人と仲いいよね。それこそけんかするくらいに。もちろんわたしはそれで構わないと思ってる。でも、杉本くんがそれを理由にわたしたち仲直りさせようとするなら、わたし杉本くんとも縁を切る」 「それだけ許せないんだな? あいつのこと」 「うん」とはっきりうなずいた。「板挟みにしてごめん」 「理由、聞かせてくれよ」 「……杉本くんはわたしとあの人、どっちが大事?」 「は?」 「だから、須藤由佳と奥沢絵莉菜、どっちが大事?」 「なんでそんなこと聞くんだよ……」 「答えて。友達としてどっちが大事?」 「答えらんねーよ」 「そうだよねっ!」  思わず身を乗り出して叫んだ。ちょうどそのとき、コーヒーをトレーに載せたウェイターがそばに来ていた。すいませんとわたしは詫びた。  それから話した。あの日のエリナとのやりとりをかいつまんで。 「なるほどね……」杉本くんはため息をつく。「たしかにひでえな」
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