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でしょ? とわたしは言う。「そう簡単に序列なんてつけられるわけないじゃん。ましてそれを答えろなんて」
「でもなんで奥沢はそんなこと聞いたんだろうな……。まさか本気で岡野さんに嫉妬してたわけじゃないだろうに」
たしかにそうだ。その質問について「あたしにとってはくだらなくない」と彼女は言ったのだ。
「杉本くんはさ、エリナにとってわたしってどんな存在だったと思う?」
あのとき反撃する意図で彼女にぶつけた質問を、今度は素朴な疑問として彼に尋ねてみた。
「おれが思うに……須藤ちゃんはあいつにとって5本の指に入る親友だったと思う」
「まさか。そんなこと言って彼女と仲直りさせようと画策してんでしょ」
「須藤ちゃんにとってはどうだったよ。出会って1年も経ってないけどいろいろあったろ。それこそ大げんかしたことだって……」
「……」
「いいコンビだったと思うぜ、おれは」
「……でもさ、エリナはわたしといるよりヒロちゃんとかと一緒のが楽しそうだよ?」
「それは……付き合い方の違いじゃないか? うわべだけの軽い付き合いと、なんっつーのかな? 本気モードで緊張感のある付き合い。仮装コンのとき奥沢と特訓したろ? ああゆうの。けんかしたり仲直りしたりってのも引っくるめて」
「ああ……」
「どっちの付き合い方も必要だと思うけどね。うわべだけの付き合いだけだとそのうち虚しくなっちゃうし、かといって本気の付き合いばかりじゃ疲れちゃうじゃん。そういう意味で奥沢はうまく友人使い分けてるよな」
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