13人が本棚に入れています
本棚に追加
「なにそれぇ。……ハズイよ」
「まあ今回はマジで縁切れたと思ったけどね」
「そお? わたしは案外早く元の鞘に収まると思ってたけど」
「杉本のおかげでしょ? あいつ知ってたよ、あんたがあたしに未練たらたらで泣いてたこと」
「マジで?」と思わず口にしてしまった。
「ま、あたしもあれからあんたのことばっか考えてたけど」
「……マジで?」
「マジ」
「あんなに友達いるのに……」
マイベスト。二度言わすな。彼女は吐き捨てるふうにそうつぶやいた。「文化祭の写真とか見てた。ユカってむかしはこんな髪型だったっけー、みたいに」
「むかしってほどむかしじゃないでしょ」
「懐かしかったんだよ。もうあの頃に戻れない気がしたから」
「へえ……。あーそれでツインだったわけね」
「は?」
「クロッキーだよ」
フフッ、とわたしは笑った。
最初のコメントを投稿しよう!