スケートリンク

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結局大野くんの練習に見入ってしまった。 夜遅いから送ってくれるという大野くんの言葉に甘えることにした。 大野くんは私と同じ高校2年生だって。 「へぇ、石川さんも北高なんだ。」 「うん、そうだよ。」 …ん? 石川さん“も”……? 「え、大野くん北高なの?!」 「おう!!」 「…知らなかった。」 「こないだ引っ越してきたばっかりだから。」 「何組?」 「2年6組。」 え。 隣のクラスだったとは。 「石川さんは?」 「5組。」 「隣なんだ。じゃあ、遊びにいくよ。」 大野くんは『ふはっ』って笑う。 私は、言った。 「大野くんみたいなイケメンが遊びきたら目立つよ?」 ……来てほしくない。 そういう嫌味を込めて。 …だけど。
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