魔法世界のとある男の話

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「ふぃ~、討伐完了だ。皆よくやってくれた!…そこの兄ちゃん以外な。」 「うっ。すいません…。」 結果から言うと、俺は何もしてない。 というか何も出来なかった。 「まさか、下級魔法すら使えないとはな…。」 「初めて見たぜ、そんな奴。」 パーティーの皆さんの目線が怖い。 いやぁ、使えないもんは仕方ないじゃないですか。 魔力も1000しかありませんし。 (平均は30000ほど) なんて言葉は言えるはずなかった。 「まぁ、終わったことは仕方ない。一応彼にも報酬は与えよう。」 「えぇ~、マジッスか?だって何もしてないッスよ、アイツ。」 ぐぅの音も出ないぜ。 「それがルールだ。次は絶対に誘わないから我慢しろ。」 「あ、ありがとうございます…。」 取り敢えずお礼を言っておく。 次からはこの悪評も広がるんだろうなぁ。 …引っ越すか。 「さて、帰るか…」 とリーダーさんが言いかけたとこで地響きが起きた。 音から察するに何かの足音か。 「な、何スか、この音…?」 「分からん…。だが、相当大きい魔物であることは…」 音はどんどん近付いてる。 それこそ、さっき討伐した魔物の比じゃない程のデカさだろう。
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