魔法世界のとある男の話

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「おい、嘘だろ…?何でこんなとこにS級の魔物が…!?」 それは、大きな龍だった。 明らかにさっきのとは格が違う。 そう思わせる程のオーラと威圧感があった。 「グォオオオオオオオ!!!!!!!!」 「し、しかも怒ってるじゃないッスか!早く逃げましょう!!」 そう言ってる間にも龍は近付いてくる。 どう考えても逃げられる訳がなかった。 「…俺が時間を稼ぐ。お前らは逃げろ。」 「リーダー!?そんなの出来ませんよ!」 「いいから早く行け!!兄ちゃんもだ!急げ!」 一人で太刀打ち出来る相手じゃない。 それは誰の目から見ても明らかだった。 「…いいえ、逃げるのは貴方です。あれは俺が倒します。」 「!?無茶だ!!魔法もろくに使えないお前が倒せる訳が…!」 「………………」 俺は何も言わない。 龍に向かって歩いていく。 確かに俺は魔法が使えないよ。 でも、1つだけ出来ることがあるんだ。 魔法がなくたって、攻撃出来るじゃないか。 それを、忘れないでほしい。 「『初期化』解除。」
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