0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
私の名前は栗本優子。
16歳。
女。
そう、女。
それなのに、目の前の鏡に映っているのは、どう考えても男だった。
「………」
着ているキャラクター物のパジャマはどう考えてもサイズが合っていない。
ぴっちりしており、身体のラインが綺麗に分かる。
筋肉が程よくついているようだ。
当然、胸には脂肪なんてついていない。
首には、喉仏。
鏡に映った男は、私の方を間抜けな顔で眺めていた。
口をぽかんと開けている。
大きく見開いている目は愛らしい垂れ目。
瞳は茶色。
鼻はすっと通っている。
黒い髪は長く、肩までかかっていた。
横髪が不自然にはねている。
「……え、何これ」
自分の口から漏れた声は、いつものモノじゃない…。
低い。
男の声だ。
最初のコメントを投稿しよう!