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好奇心は猫をも殺す。英語でいうとCuriosity killed the cat.昔の欧米の人達から見て命がけのような行動をする猫を、9つ分の命がないと生きていけないと考えていた。そんな猫を殺してしまうような好奇心に惑わされて、いろいろなことに首を突っ込むと命がいくつあっても足りない。という警告の意味を人間関係に置き換えると、他人のことをあまり詮索するとひどい目にあう、ということ。……自分で言うのもなんだが、あまり頭の良くない僕がなぜ、こんな事を知っているのかというと、今この瞬間目の前で同じクラスメートである梶前 由姫( かじまえ ゆき)が講釈を垂れているからである。……僕の首筋に小物の刃物を突き付けながら。
「それで、何の用かしら。生憎ながら、殺してくれって願望はお断りしているの」
「それじゃあ、この刃物を下ろしてくれないかな」
「殺せなくても傷をつけることはできるのよ。悪いことをした子にはお灸をすえないとね」
「痛いのは勘弁してください」
「残念だけど、このハントマンは、手に入れてから一日も刃の手入れを怠ったことはないのよ。痛いわ、確実に」
「今、そこの確実性はいらないかな!……ところでハントマンって、その刃物の名前?」
「そうね。このツールナイフの名前よ。期待を裏切るかもしれないけど、私が名付けたものではないわ」
さて話題が無くなった。なんとかして本題から逸らしたいのだが。
「あ、えっと、それ、高そうだね」
「そうでもないわ、樋口さんと野口さんを協力させれば買えるわよ。身分証明書が必要だけど」
「というか、それ法律違反……」
「だから最初に言ったじゃない。殺してくれって願望はお断りしている。って」
「そういう問題じゃあ……」
「あの日、あなたにストーカーされていて、帰宅途中に乱暴されたから、とっさの判断で、スカートの中に入っていたツールナイフの部位を適当に出し、あなたを刺した。これでどうかしら?」
「いや、どうかしら?なんて聞かれても」
やったことないし、やられたこともないので、返事に困る。 出来れば今後も未体験でありたいところなのだが。
「私は、そうならないことを祈っているのだけれど?要件は何かしら」
もうそろそろ話題をそらすのも限界だったので、正直に話してみることにした。この刃物が首やほかの部位に突き刺さらないことを願いながら。
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