テンプレはテンプレだからこそ、テンプレと言われるものだ

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「アステリアよ、よくぞ帰って来てくれた。父として、娘の帰還を嬉しく思うぞ」 「ありがとうございます、お父様」 「そして貴君が、娘を助けてくれたという人だね?」 「助けたっつうか、俺も命の危険があったからドラゴンを倒しただけっすけどね」 「貴様っ!国王に何たる口を――!」 「気にするな。私もその方が気楽だ。では、改めて我が娘を助けてくれてありがとう。私はノートリクス帝国第13代国王のクルセス=ノートリクスだ」 「はあ…サカキです」 この人良い人だ……今まで周りにいた大人達が霞むくらい良い人だ……。 「サカキ君、と言ったね?貴君はこれからどうするのかな?」 「そうですね~……とりあえず、もう旅も疲れたんでここら辺に根を下ろすつもりです」 「そうかい……なら、私に何か出来る事はあるかい?」 「え~……あ、じゃあギルドとかあります?」 「勿論あるよ。ギルドに入るのかい?」 「はいな、入らせてもらえると嬉しいですね。あ、一番治安が良いギルドでお願いします」 「それなら、『剛の里』がお勧めかな?中々強いギルドで、そこのマスターが不正やいじめを嫌う人だからね」 「じゃ、そこでお願いします。あ、「貴君」って呼び方止めて下さい。俺、そんなに上等な人間じゃないんで」 「………君は不思議だね。王族に頼み事が出来るのがどれだけ凄いのか分かってるかい?」 「知りませんし知ろうとも思いません。俺、ただの一般人なんで」 「……ふふっ、プラチナドラゴン二体を瞬殺した君が、『ただの』一般人か」 国王はひとしきり笑って 「それじゃ、紹介状を書いておくよ。ああ、そうそう。私のことも、クルセスでいいよ」 「さいですか。それじゃ俺は、クルセスさんが紹介状を書くまでどこにいればいいですかね?」   外はもう日が落ち始めている。午後5時といったところだろうか。 「来客用の客室がある。そこで今日は休んでくれ。どうせ宿も決めてないんだろう?」 王族の客室? 客室=ベッドがある=王族だから超高級=ふかふか=最高だぜ!! 「分かりました!」 「じゃあ、メイドに案内させるよ。明日、またここに来てくれる?」 「了解で~す」 「リアは明日学校だから、早く寝なさい」 「分かりました、お父様」 ――――
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