テンプレはテンプレだからこそ、テンプレと言われるものだ

10/42
前へ
/752ページ
次へ
「それよりリア、どうしたんだい?さっきからいやに静かだけど……」 顔を俯かせていたリアだったが、意を決したように顔を上げ 「お父様!お母様!私も寮で生活することにします!!」 『……………』 は? 『ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!!!!』 ――――― はい、今リアと一緒に学校の校門の前にいま~す。 ちなみに制服は、白いブレザーに紺色のズボンだった。俺は黒の方が好きなのに……。 てか、でけえ……。縦は城程じゃないが、横は城と同じかそれ以上にあるぞ? 「ではまず学園長室に向かうように言われてるので、案内しますね」 「はいはい……」 あ~、テンプレだなぁ…。 と、そんな事を考えてる内に学園長室の前に。 「失礼します」 「失礼しま~す」 扉を開けると、そこにいたのは緑のスーツを着たナイスミドルのおっさんが。 「いらっしゃい。そしてようこそ、我が学園、ゲシュタルト学園へ」 ちょwwww名前www崩壊してしまいますwwwwwww 「僕の名前はミラージ=ロドハルト。君がサカキ君だね?国王様から聞いてるよ、圧倒的な力で帝になった凄い人物だって」 「はあ…どうも。仰る通り、昨日帝になった『大帝』のサカキです。……貴方も帝ですよね?」 「おや?こんなすぐにバレるとは思わなかった」 そら分かりますよ。優雅な仕草で隙の無い構えに、体内にある魔力量、そして俺に若干殺気を放ってきてるんですから。 え?何で魔力量が分かるのかって?これも貰った能力の一つなのですよ。 「ご明察の通り、僕は『風帝』だよ」 「その風体でですか?」 「……ぷっ、ははは。君は面白いね。これからよろしく頼むよ」 「いえ、それはこっちの台詞ですよ。こちらこそ、よろしくお願いします」 「学園長、失礼します」 何か、眼鏡を掛けた神経質そうな男性が来た。 「やあ、よく来てくれた。彼が、君達のクラスの担任だよ」 「よろしくお願いします」 「グリム=ジョーだ」 ちょwww名前wwwww 「しかも先生も帝じゃないですかwww」 「っ!?何故それを!」 「あ~、落ち着いてくれグリム先生。彼は『大帝』だよ」 「何っ!?随分若い帝が出来たと聞きましたが……彼が?」 「間違いないよ」
/752ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15663人が本棚に入れています
本棚に追加