俺の睡眠を邪魔するのは、自称神様とかいうお姉さん

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「えと、ぇと……ゴメンなさい!私の不注意で関係ない貴方まで殺してしまって……」 「え、ちょっと待って下さい。俺どんな死に方したんですか?」 「……覚えていらっしゃらないんですか?」 「はぁ……寝て起きたらこの場所だった気がするんですが」 目を丸くするお姉さん。俺の返答が予想外だったらしい。 ていうか、最初見た時の慈愛に満ちた表情とか、荘厳な雰囲気とか形もないな。 「ぇと、じゃあ説明しますね。望月 榊さん。貴方はですね~、パトカーに乗ってるところに、ダンプカーに突っ込まれて一緒にいた警官諸共ぐしゃぐしゃに潰れてしまったんですよ」 うへぇ……エグいな。それと、綺麗な笑顔で言わないで下さい。怖いです… 「ていうか、パトカーに乗ってたんですか?何で?」 「ええ!そこも覚えてないんですか?!」 「はぁ……すいません」 「でも、仕方ないですよね。いきなり死んじゃったんですから」 「でもそれ、お姉さんのせいだったんでしょ」 言った途端、ズーン…と落ち込むお姉さん。 「そ、それで!何でパトカーに乗ってたんですか?」 「あ~……ホントに覚えてません?榊さんが迷子の子供を親の元に送ってた途中に、母親が警官を連れてきたんです。それで、誘拐犯と間違えられた榊さんは、署へ連行される途中だったんですよ」 「あ~……言われてみれば、そんなことがあったような……」 つまり、勘違いしたその子の母親と警官のせいで死んだ、と……。 「ていうかさっき、貴方『まで』殺してしまったって言いましたよね?」 「はい……本当なら、ダンプカーの運転手さんと、その警官さん達だけが死ぬ予定でした。ですが……ゴメンなさい」 なるほどなぁ……巻き込まれ型って奴か。巻き込まれたのは勇者召喚じゃなくて交通事故だけど。
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