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「ご武運を」
それを最後に、フィリアスさんは消えた。
そして、俺の目の前には今虹色の空間が広がっている。
「なるほど……これで転生する世界と行き来するのか」
フィリアスさんから貰った能力には、次の世界の一般知識なども含まれていたか
ら、これが転移ではないことにすぐ気付いた。
転移なら、こんな空間はなく一瞬で目的地に到着するらしい。魔法って便利。改めてそう思いました、まる
「さ~て、転生したらまずは近くの国に行きますか」
大きく伸びをしてると、段々前から光が見えてきた。
「お、ついにか。俺の新たな人s…」
目の前に女の子が居ました。
「……………」
「……………」
互いに無言。圧倒的無言。
おお落ち着け俺。まずは状況確認だ。
転生した場所は草原。辺り一帯が緑の地平線となっている綺麗な所だった。
そして、俺の前には女の子がいた。俺と同年代くらいかな?薄桃色の髪に同じ色のドレスを着て、そこはかとなく高貴な印象を立ち居振る舞いから漂わせている。端正な顔はポカン、という表現がお似合いな程に歪んでいた。
「………」
「………」
「ど、どうも……?」
「あ……!」
俺が挨拶しようとした瞬間、女の子は顔を青くして全力で逃げて行った。
……えぇ~…、俺そんな酷い顔ですかそうですか。
落ち込んでいると、上から急に影が落ちた。
「あれ?空が曇っt…」
見上げると、白金の鱗を持つ巨大な……そう、巨大なドラゴンが。
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