世界が終わる、カウントダウン①

3/11
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/109ページ
PM.3:00 「これにて講義を終わります」 チャイムの合図に合わせて教師が講義を終わらせ、生徒たちは次々と席を立っていく。 そのなか、消されゆく黒板の文字を写す者が一人。俺だ。 「ノブナガ~。早くしろって!」 「すまんすまん。あとちょっとだから!」 「はいよ」 ちなみにノブナガと呼ばれたのは俺のことで、本名は長野信輝という。 俺に声をかけたのは短い髪をワックスで固めて立てた、松下健二という男。ニックネームはマツケン。 「次のとこはよ行こ? いい席取れんくなるやん?」 俺を急かすのはウサギのように髪を2つに結んだ、稲葉恵令奈という女。ニックネームは稲葉物置に決まりかけたのだが、本人の反対によって、ミミ子になった。 「んじゃ、次の教室行くか」 マツケンが歩き出すのに続いて、俺とミミ子も歩き出した。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!