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PM.3:00
「これにて講義を終わります」
チャイムの合図に合わせて教師が講義を終わらせ、生徒たちは次々と席を立っていく。
そのなか、消されゆく黒板の文字を写す者が一人。俺だ。
「ノブナガ~。早くしろって!」
「すまんすまん。あとちょっとだから!」
「はいよ」
ちなみにノブナガと呼ばれたのは俺のことで、本名は長野信輝という。
俺に声をかけたのは短い髪をワックスで固めて立てた、松下健二という男。ニックネームはマツケン。
「次のとこはよ行こ? いい席取れんくなるやん?」
俺を急かすのはウサギのように髪を2つに結んだ、稲葉恵令奈という女。ニックネームは稲葉物置に決まりかけたのだが、本人の反対によって、ミミ子になった。
「んじゃ、次の教室行くか」
マツケンが歩き出すのに続いて、俺とミミ子も歩き出した。
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