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総学院長は向かいのソファに座り、月ヶ洞理事長はその隣に座る。
「……月ヶ洞。仕事してくれ。な?」
「嫌ですわ! もう今日は雨宮様に手首を折ってもらわないと仕事できそうにありません!」
「それしたらまさに仕事できなくなるからな」
「ハッ、そうですわね……。手○キ出来ませんものね」
「ごほっ」
サキュバスさんが顔を赤くしながら、啜っていたお茶を噴き出しかける。本当に純情だな。
「……誤解無いように言っておくが、俺はそんなことをさせていないから安心してくれ」
「もっとドギツいことさせてますからね!」
「ちょん」
「ごはぁ」
総学院長が月ヶ洞理事長の額をトンと人差し指でつつくと、月ヶ洞理事長は気絶した。総学院長すごい。
「今までのは全部月ヶ洞の冗談だから真に受けるなよ」
「……はぁ、まぁ、分かっています」
「うむ、流石に分かるぞ」
サキュバスさんは総学院長の前でも尊大な口調である。僕は総学院長が怒らないか少し心配だったが、総学院長は全く気にしていないようで。
「ならいい。で、今日はどんな用件で来たんだ? 別に雑談でも構わないぞ。あ、そこのお菓子食べていいぞ」
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