「体とは正直だ」

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総学院長なんか優しくて意外。もう少し怖い人かと思ってた。 「なんだかヤケに優しくて怖いのう……。偉そばってるより良いが」 サキュバスさんも同意見だったようで、小声で話しかけてくる。僕も小声で返す。 「それはクロエには言われたくないと思う」 「小声のつもりなんだろうが、聞こえてるぞ」 「「!?」」 「なんだおい、仲良いなお前ら。ハッハッハッ」 どうやら聞こえていたようだ。耳がかなり良いらしい。と言うか仲は良くないと思う。向こうはどう思っているか分からないし。 「まぁ、仲良きことは素晴らしきかな。青春だねぇ。良いことだ良いことだ。俺も昔は今の嫁さんと」 「あの、用件言ってもよいかの」 すかさずサキュバスさんが総学院長の思い出話を遮る。勇気あるなぁ。まぁ長々と話をされると困るから僕としてはいいのだが。
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