「体とは正直だ」

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総学院長はハッハッハッと快活に笑い、 「いや、悪い悪い。生徒と話するのがちょっと楽しみだったんでな、舞い上がってたみたいだ。じゃ、用件を聞こうか」 話を切り出すように促した。僕は、 「……連合の手続きを。お願いしたくて」 「ああ、いいぜ。なるほど、さっきの宣誓はお前らか。連合も組んでないのに戦争始めようなんていい度胸してるじゃねえか。リーダーはお前の方だな? んで一緒に来たお前が連合に加入か?」 「うむ、そうじゃ」 「おう、了解っと……。よし、これで手続きは完了だ」 総学院長は喋る片手間に、指をくいっと動かし、何もない宙から紙を出現させる。後ろではいつの間にか目覚めていたらしい月ヶ洞理事長が総学院長の指に合わせて「遠隔操作バ○ブごっこ! あんっ」とか言っていた。この場にいる全員が無視した。 出現させた紙には『連合許可証』と書かれた簡素な書類で、僕の名前とサキュバスさんのフルネームが記入されていた。総学院長は少し得意げに、 「こいつは魔法がかけててな、面倒な記入は勝手に……、ん?」 不意に、総学院長は眉をひそめる。しかしまた表情を元の不敵な笑みに戻し、 「まぁこれは後で聞こう。で、ここで連合名なんかを聞きたいんだが、決まってるか?」 「聖魔王軍で!」 「嘘です。まだ決まっていません」 「なんだ嘘か。なら近日中に言いに来るように。よく考えて決めろよ」 「おい! 何故我の発言を無視するのじゃ!?」 「あっ、そりゃ雨宮様は私にしか、んっ、興味ないですもの、イグゥ!」 「連合名はリーダーが決めることと決めているからな。あと不健全な遊びはやめてください理事長」 「弄ばれているだけです!」 「そうなのか、では仕方あるまい。また今度連合名を言う時までにナミヒトを説得しておかねば……」 諦める気は微塵もないのか。
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