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「俺はしがない門番ですが?」
「そうよね、ごめんね
あの自己中勇者と疑ってしまって」
ちなみに自己中勇者とは俺のことである。
理不尽だ、俺自己中じゃねーし。
「別にいいぞ、誰にでもミスはつきものだ」
「……? あなた、剣を使ってるの?
門番って普通槍なのに」
「こっちの方が使いやすいからな」
「それはそうと」と言葉を繋ぐ。
「なんでこんな変哲もねぇ街に来たんだ?
装備から見るに腕の立つ騎士さんのようだが?」
この街に居座られても困ると思って、ディスっていくスタイルの俺。
リッカの装備は艶のいい金髪に耐魔法の紋章を付与したヘアバンドをつけて、上半身を覆うような重鎧、丈の短いプリーツスカート、ブーツと露出が多いか少ないかわからない装備だ。
「ここの国王にちょっと書類をね」
そういえばコイツはデカい国の騎士だったな。
「でもこれは建て前っていうか……本音はさっき話した自己中勇者を探してるのよ」
なんですとっ!
「そうか、見つかるといいな」
「そういう馴れ馴れしい所が自己中勇者とそっくりなんだけどね」
「なんだと」
「冗談よ、お仕事お疲れ様」
ふう、なんとかバレずにすんだ。
帰りにもアイツが通ることだし、その時も門番のふりをしよう。
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