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俺の勤務先は街の東側の門番だ。
北、西、南にも同業者がいるが名前は知らん。興味なし。
俺の仕事は外壁で囲まれたこの街にある門の一つ【東門】の開け閉め。
明けと日暮に行う。
門が開いてる時は不審な奴が入らないように門の前で見張りだ。
俺は荷物をまとめた人力車を走らせ、門前に到着。
何故荷物を持って来たかと問われると、門前にある小屋に引っ越す為だ。
荷物は少ないから引っ越ししても別に良かったが、元住んでいた家よりも狭いためなんか複雑な気分だ。
荷物をまとめて、俺は軽鎧を着る。
武器は槍だったが、剣の方が使い慣れているので変えて貰った。
身支度を終えて、俺は門を開ける。
門を開けたら勝手に閉まらないように石で固定する。
さて、始めるか。
可愛い女の子が通れば運はいい方だ。
そう思い、外を見る。
「おっと、一番乗りさんか……」
外にはもう人が立っていた。
しかも女の子。これは幸先がいいんじゃないか?
こういう場合、確か……
「………………」
じっくり観察。不審なモノがないかチェック。
「な、なんですか」
「いや、怪しくねーか確かめただけだから
いいぞ、入って」
「えっ、私、悪魔なのにいいんですか門番さん」
「えっ」
「えっ」
「………」
「………」
いきなり出鼻をくじかれた。
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