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世界を支え産み出した大樹の元
大いなる母に抱かれて
残った記憶を振り返っていた。
きっかけは右手につけた布切れからだった。
ただのお守り程度の、仲間の印だった。
わたしがまた目覚めるのは災厄が訪れるとき。
それはもう、知っている人々はもう生きているはずもない世界だ。
それ以前に、
まるで食虫植物の様にわたしの記憶は、じわりじわりと大樹に溶け消されていく。
「お母さん……」
1日だけでいい
「みんなに会いたいよ……」
今すぐ世界へ出て、サヨナラだけでも言いたかった。
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