酷き春。優しき冬

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「もう!キヨ!勝手にこの子に物を与えないで頂戴!この子は帝王学を学んでいるのよ!甘やかさないで!」 「も、申し訳ありません…ですが…坊ちゃんもさぞかし寂しそうでございます…坊ちゃんもまだほんの7歳。母様の愛情が欲しいお年頃なのです。どうかお許しください…」 「う、うるさい!メイドの癖に生意気なのよ!死ねっ!死ねぇ!」 我は見てしまった。母上が展示されていた剣を抜いてキヨさんに刺すところを… ズブゥ!! 「はぁ…はぁ…あははは!生意気なのよ!私だって愛しているつもりよ!なのに…なのにどうしてなのよ…どうしてあんたばかりに懐くのよ!」 「そ、それは……母様が…」 「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!!!」 グチャッグチャメキャズガッメキャメキャグチャッ!! 「ははは…ははははは」 剣を持って立ち尽くす血塗れの母上。その下に転がるキヨさんだった血肉。この時の我は壊れてしまっていた。 「殺そう…母上を…殺そう。」
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