近くて遠い/希風-ノノカ-side

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 気づけば隣にいて、隣にいるのが当たり前だった、小学生時代。  なんの裏切りも穢れも疑いも知らずにひたすら仲良く"兄弟ごっこ"とやらを続けた日々。  アイツと同じ物なら沢山あった。  成績、身長、好きな物、嫌いな物、好きな動物、得意な教科書、好きな色...  何時までもこの距離で一番近くで、一番最初に"楽しい"を共有できると思ってた。  子供というのは時に残酷で、人を傷つけてしまう、ということを知らない。  アイツと同じじゃないもの、変えることができないもの...それが、私達を引き裂いた。  ただ、私が女で、アイツが男。それだけのこと。  男女で仲良く四六時中一緒にいると、奴等の中で過ごすには、格好の餌食となってしまうのだ。
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