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「ずっと前から気になってたんだ、良かったら俺と付き合ってくれない?」
歯が浮くような薄っぺらい常套句。分かってますとも振られますとも。
でもこんな俺にも想いはあります。たしかに女好きとかチャラいとか言われるけど本心は貴女だけですから。
君は俯いてマフラーで口元を隠しながらモゴモゴと答える。
「…ゴメンなさい…高校の内は彼氏とかまだいいかなって……」
申し訳なさそうな彼女を見て内心傷つきつつも、俺は決意して宣言する。
さぁさぁ皆様ご静聴、恋に破れた負け犬のスピーチの始まりだ。
ゆっくり腕を上げて、薄く張られた涙でにじむ視界の中の彼女に向かって指を差す。
「卒業までに絶対に今のセリフ後悔させて振り向かせてみせるから、覚悟しときなよ?」
この瞬間から俺こと鎌取 大貴(カマトリ ダイキ)の間宮 頼子(マミヤ ヨリコ)に対するリターンマッチが始まったのである。
…あークソッ、自分で言ってて虚しいし泣けるわ。
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