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御崎高校からそう遠くない、日中通してまるで人気のない港沿岸の今は使われていない倉庫郡の一角。
赤く錆びた屋根の下で、話し声が聞こえる。
「手筈はどうなってるんだあ?」
「もうすぐ準備が終わる。準備が出来次第、初めていいそうだ」
ゲラゲラと笑う男が、置いてあった机をバンバンと叩く。
その衝撃で横に立てかけてあった板が倒れて地面を鳴らす。
「そうかあ……次のターゲットはどこなんだ?」
「御崎高校という場所だ」
「今度は骨のあるやつらだといいなあ、ここ最近の連中は歯ごたえのねえ奴らばかりだったからな」
つまらなさそうに言う。
彼が踏んだ板が、真っ二つに砕ける。
「それは、始まってからのお楽しみだ」
もうひとりの男は淡々と答える。
それを見て、ますますつまらなさそうにぼやく。
「ったくよ……毎回それだなあお前は……」
「事実だからな」
特に何の反応も示さない男の態度を見て、更につまらなさそうな顔をして地面へと転がった。
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