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その直後、鈍い音を立てながら倉庫の扉が開く。
「おー?」
「準備が整いました。いつでも実行可能です」
部下らしき人物が、片膝をついて二人へと頭を下げる。
「ようやくかあああああああ! 待ってたぜえええええ!」
寝そべっていたのも束の間、大きな声を上げながら起き上がって再びゲラゲラと笑い出す。
真面目に話していた男も、その報告を聞いて顔を嗜虐に歪める。
「ふっ……ようやくだな」
「なんだかんだお前も待ちわびてたんじゃないのか、ゲイナス?」
真面目な男――ゲイナスは顔を歪めたまま向き直る。
「当たり前だ、何のためにここに来ていると思っている、バルー?」
「んなこと、言うまでもねーだろおお」
相変わらずゲラゲラと笑い続ける男――バルーはそう言って続ける。
「殺戮だよ、殺戮。くっくっくっくっ……」
「そういうことだ。 出発準備にかかれ」
あいよ、とバルーは答えて、部下らしき一人を残して二人は倉庫の奥へと消えていった。
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