*第1章*君との距離

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「ん~。家の前とかで偶然会えればいいのにねぇ」 「ゆうくんは部活で朝も早いからねぇ……」 ゆうくんは高校で、またバスケ部に入った。 また派手な人たちと仲よくしてるから、ちょっと不安だけど……。 ゆうくんは髪も染めてないし、他の男子みたいに教室でぎゃーぎゃー騒ぐこともないってウワサを聞いた。 そんなところが、女の子にモテちゃってるみたいだけど……ぷぅ。 って、私、なに考えてるんだ!? ゆうくんが女の子にモテたって、私には関係ないのに! 「……沙菜、なにひとりで百面相してるの?」 「ふえっ!?」 「ぷぷっ!」 気がつくと、愛が目の前で笑いだしていた。 「もぉぉ、バカにしないでよぉ~~!」 「だって! 沙菜ってば天然でおもしろいんだもん!」 「愛だって天然なくせに!」 「沙菜ほどじゃないもんっ」 ふたりでキャハハッと笑いだす。 あー、こんなに早く親友ができてよかったなぁ。 いつも友達を作るのが遅いから、不安だったんだよね。 しばらくは平和でいたいし、ゆうくんのことは、偶然のチャンスを待とうかなぁ。
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