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「ん~。家の前とかで偶然会えればいいのにねぇ」
「ゆうくんは部活で朝も早いからねぇ……」
ゆうくんは高校で、またバスケ部に入った。
また派手な人たちと仲よくしてるから、ちょっと不安だけど……。
ゆうくんは髪も染めてないし、他の男子みたいに教室でぎゃーぎゃー騒ぐこともないってウワサを聞いた。
そんなところが、女の子にモテちゃってるみたいだけど……ぷぅ。
って、私、なに考えてるんだ!?
ゆうくんが女の子にモテたって、私には関係ないのに!
「……沙菜、なにひとりで百面相してるの?」
「ふえっ!?」
「ぷぷっ!」
気がつくと、愛が目の前で笑いだしていた。
「もぉぉ、バカにしないでよぉ~~!」
「だって! 沙菜ってば天然でおもしろいんだもん!」
「愛だって天然なくせに!」
「沙菜ほどじゃないもんっ」
ふたりでキャハハッと笑いだす。
あー、こんなに早く親友ができてよかったなぁ。
いつも友達を作るのが遅いから、不安だったんだよね。
しばらくは平和でいたいし、ゆうくんのことは、偶然のチャンスを待とうかなぁ。
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