*第1章*君との距離

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「沙菜っ。なぁーにボーッとしてるの?」 「あ、愛(あい)!」 いつの間にか私の席まで来ていた親友の愛に声を掛けられ、我に返る。 「もしかして、また山瀬くんのこと考えてたの?」 「ち、ちがっ……」 「図星かぁ~」 ……てか! 今の会話、誰かに聞かれてないよね!? きょろきょろ見回すと、愛が私の焦りに気づいたみたいで、 「大丈夫。誰も聞いてないよ」 って言ってくれた。 ……よかった。誰にもバレなくて。 ゆうくんは……私みたいな大人しい子と幼なじみだって知られたら、きっとイヤだと思うから……。
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