*第1章*君との距離

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井上沙菜。高校1年。 背も声もちっちゃくて、目立たない私。 肩下までのミディアムの髪は、生まれつきの栗色。 はずかしがりや……なんて言い方したら聞こえはいいかもしれないけど、内気で人見知りなだけ。 自分の気持ちを伝えるのが、小さい頃から苦手なの。 親友の愛こと田口愛とは、1ヶ月半前の高校受験の日に出会った。 ふわふわした黒髪ロングで、15歳にしてはちょっと幼く見える愛。 でも、ヘアアレンジが好きで、ピンクのカーディガンが似合うオシャレさん。 私より背が小さくて、おっとりしていて、マイペースで……。 一目見て、私たち似てる!って思ったんだ。 しかも、受験当日に校舎の中でトイレを探して迷ってた、ってとこまで一緒で……。 人見知りの私でも、すぐに打ち解けることができた。 それから、ふたりともこの高校に合格して、入学式で再会して……。 たった2週間で、今では大親友。 愛にだったら、自分の気持ちを素直に話せるの。
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