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「沙菜ってさぁ……」
愛が私の耳もとに顔を近づけて、こっそり話す。
「ん?」
「山瀬くんのこと、好きなんじゃないの?」
「えっ!? そっ、そんなわけないよ!!」
って……はっ!
大声出しちゃった!
もう一度周りをきょろきょろ見てみると、さっきゆうくんの話をしていた女の子たちが「どーしたの?」って顔でこっちを見てた。
は……はずかしぃぃ~。
ふだんおとなしい私がいきなり叫んだら、そりゃびっくりするよね。
どうしよ、顔が熱いよ!
なんて言い訳すれば……。
「なんでもないよ! ごめんね!」
すかさずフォローを入れてくれたのは、愛。
「……そう?」
「沙菜ちゃん、おもしろいね」
ニコニコしながら、そう言われる。
……おもしろくなんかないよぉ。
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