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真っ黒のツインテールでぱっと見で可愛いと思える子だ。すると前の女子が話しかけて来たので彼女と俺はすぐに目を逸らした。
「それじゃあ、黒城の席は…」
先生がそう言うと待ってましたと言わんばかりにさっきの彼女が手を挙げた。
「黒城くんは、まだ学校にもクラスにもなれてないと思うので風紀委員の私の隣がいいそうです!」
助かるよ、助かるけど何か違う気がする…いいそうです!って俺が言ったみたいなってるよ。
……いや、ここはあえて話にのってみた方がいいのかな?
「はい。彼女の言う通りまだ学校にもクラスにもなれてないので風紀委員の彼女の隣がいいです。」
みんなが俺を見て黙り込んだ。しまった……スベった。憂鬱に明け暮れかけた次の瞬間、どっと周りから笑いが生まれた。第一印象は、まずまずな感じでスタートを切ることが出来たみたい。彼女のおかげだ
そのまま指定された席まで行った。机の横に鞄をかけて椅子に座った。
「私、弥生 桃華(やよい とうか)よろしくね黒城くん!」
彼女……弥生 桃華はそれだけ言って前の女子とまた会話を始めた。
ー〇●〇ー
「はぁ……疲れた」
「転校初日から人気者だね黒城くん」
初日の学校が終わり机に突っ伏していたら弥生 桃華に急に話しかけられた。
何に疲れたかというと、ホームルームや授業が終わった瞬間にクラスメイトが周りに来て色々と聞いてきた。
前の学校のこととか好きな漫画とかドラマとか得意な教科とか、転校生の宿命と言えば宿命だけど予想以上に大変だった。
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