序章「HAPPY BIRTH DAY」

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「まあ私、苺のショートケーキを具現化した姿だからねー! アンタよく分かってるわね」 今なんつった? 「苺のショートケーキって言ったら、日本のクリスマス、誕生日の醍醐味だし! そんなこの国を代表するケーキの私が可愛くないわけないもんね!」 苺のショートケーキが具現化? 一体何を言っているのか、やっぱり変な人だ。 「というわけでアンタ、名前は?」 「え、えっと『天海 匠(アマミ タクミ)』だけど……」 「タクミ、それじゃあこれから私を産んだ責任をとって、私を養いなさい」 「ファッ!?」 産んだ!? え、僕が!? 「何驚いてんの? アンタが作ったショートケーキが私になったのよ。 ふふん、こんな美少女の私と一緒に暮らせるなんてすごい幸せでsh――」 「じゃあさっきのケーキは!?」 「は? そりゃあ私がここにいるんだからあるわけひゃあっ!?」 机をひっくり返しそうな勢いで立ち上がって、一直線に冷蔵庫へダッシュで向かう。 中を確かめると……。 「……ない」 「だから無いって……え、ちょ、アンタ泣いてんの!?」 「ヒグッ、今日、誕生日なのに……。 ケーキが無いなんてぇ……うわぁぁああああん!!」
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