序章「HAPPY BIRTH DAY」

10/15
前へ
/17ページ
次へ
「えぇっ……! な、泣かないでよ、アンタ男の子でしょ?」 少女は自分に責任があることと、予想していなかった反応を目の前にオドオドし始めた。 男の子が泣いているのに対しどうしたらいいのか分からないのだ。 色々考えた結果にとった行動は! 「た、誕生日プレゼントは、わ☆た☆し! なんちゃってー!! にゃはッ!」 ………………。 「いらんーーーーーー!! ふわぁぁああああん!!」 「それはいくらなんでも失礼でしょ!!?」 せっかくセクシーポーズまで決めたとっておきは、いらんと即刻否定され少女のプライドを激しく傷つけたが、先にこの状況を何とかしなければいけないと思った。 「ああもう、しょうがないわね。 冷蔵庫借りるわよ!」 そこからの行動は早かった。 冷蔵庫からカロリーの高そうなものを引っ張りだし、机の上に全部放り出す。 「これ疲れるんだから、滅多にやらないわよ? 誕生日に私を作ったお礼としての特別サービスなんだから」 少女はそう言いながら山になったマヨネーズやらバター、肉に手をかざす。 すると部屋中に眩いばかりの光が溢れだした。 今まで泣いていた匠もこれには気づいて泣き止んだ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加