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(ま、何とかなるよね。
責任取らなきゃいけないみたいだし、しばらく一緒でも大丈夫でしょ)
天然が故にかなり適当だった。
異性との生活の大変さを考えていなかったので、これから途方もない苦労をすることになるのだが……。
念のためこの異性への疎さは兄を寵愛している妹の影響であることを明記しておく。
決して不純な理由で女の子と暮らすわけではないのだ。
と、急に少女が立ち上がって思いきり叫ぶ。
「さあ、刮目しなさい!
私の力を!!」
「う、うわっ、まぶしッ!!」
少女が力を込めた瞬間に、光が一層輝きを増したせいで刮目は出来ていなかった。
「ちょ、眩しすぎィ!!
なんも見えない!!」
というか少女も見えていなかった。
二人は目を抑えながらよたよたフラフラと動き回る。
「うわぁ、目眩ましできるんだね……」
「ち、違うの違うのよ!
アンタを喜ばせ……コホン、目にもの見せてやろうと思ってやったから、もっとすごいわ!
クッソ、目がしょぼしょぼして成功したのかも分からないじゃない!」
まるでゾンビのように這いずり回る二人。
そのまま30秒くらい経つまで目を開けることは出来なかった。
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