序章「HAPPY BIRTH DAY」

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理不尽な気がするけれど、まあ心配してくれたからあんな事言ってたんだろうなぁ。 それから気を取り直して、しばらく雑誌を読んで時間を潰してからケーキ作りを再開する。 粗熱があらかた取れたスポンジを水平に真ん中から切って二等分して、作っておいたシロップを切り口にまんべんなく刷毛で塗る。 「よし、ここからが勝負だ」 ボウルに生クリームとグラニュー糖を入れて泡立て器で、カシャカシャと泡立てる。 このホイップクリームの加減が大事だ。 慎重かつ大胆に、腕と手を動かす。 ここかな? 泡立て器を上に持ち上げるとクリームが引っ張られ、ちょんと山ができた。 俗に言う角が立つってやつ。 上手くできた僕はご機嫌でリズムをとりながら、スポンジの下段のシロップを塗った上に生クリームを塗っていく。 そこに半分に切っておいたイチゴをたっぷり敷き詰めて、スポンジの上段を乗せる。 次に生クリームを側面と上から綺麗に塗り、飾り用の切っていない苺をバランスよく配置して、と。 「余ったホイップクリームは、星形の口金のついた絞り袋にいれて、絞りとる!」 完☆成!!
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