序章「HAPPY BIRTH DAY」

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「さ、最高傑作だ……!!」 今まで飾りに苺だけじゃなく、ブルーベリーみたいなベリー系と飾り葉のチャービルを乗せたり、これまでショートケーキを何十回と作る度に色々な工夫をしてきたけれど。 王者は王者の風格が! シンプルを極めたこのショートケーキの威風堂々な姿!! これだけでもう頂点だって分かる。 凄すぎる。 あ、興奮してきたら涎が……ジュル。 「写メ撮って、冷蔵庫へin!」 後は他の料理を作って、最後のデザートに……。 まあ、一人じゃ食べきれないからご近所さんにお裾分けでもするかな。 ルンルン気分で最初の料理を作ろうとした時だった。 『ぎゃわぁぁああああ!!?』 「――――ッ!!?」 ビックゥ、と体が跳び跳ねる。 女の子の、くぐもってはいるがとんでもない悲鳴が聞こえたからだ。 「え、ていうか悲鳴近くない!? どこ、どこ!?」 あわあわしつつ、キッチン周りを見回す。 すると……。 『ひぃーーん、冷たいぃーー!! 暗い、狭い、何よ何がどうなってるのよぉーーーー!!』 冷蔵庫が女の子の声を出して、ガタガタと動いていた!(※気が動転してます)
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