序章「HAPPY BIRTH DAY」

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「ひぃぃ、冷蔵庫が化け物にぃ! これじゃ近寄れんし、せっかく作ったバースデーケーキ食べれんーー!! うわぁぁああああん!!」 『ちょっと、そこに人がいるのね!? 早く私を助けなさい、助けてよ、助けてください! 寒いの、怖いの、動けないのーー!! ふわぁぁああああん!!』 非常にやかましく泣き騒ぐ一人と一台(?)。 どう考えたって中に人がいると分かるのだが……。 「一体なんなのんーー!!」 誕生日の幸せから意味不明なパニック状態に急転直下、落とされたせいで少年の精神が非常に参ってしまっていたため、そんなところに気が回らないのである。 目は回っているが。 と思ったら急に落ち着いて手を組んで膝まずく。 「苺のショートケーキ、ごめんなさい。 僕が不甲斐ないばかりに無駄にしてしまいました。 アーメン」 『苺のショートケーキを無駄にしたですって!? そこにいるやつ、説教してやるんだから!! だからお願い出してよぉ!!』 冷蔵庫の中の少女は上から目線なのか下手に出ているのかよくわからない。 下から目線な人がいたら、スカートをはいた女性に通報されて、変態の謗りを受けてもしょうがないだろう。 特にこれを言う必要は無かったが。 ならば何故言ったのか。
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