序章「HAPPY BIRTH DAY」

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「あれ、もしかして女の子が冷蔵庫の中に入ってる?」 やっと気づく少年。 泣いて混乱していた割に立ち直るのは意外に早かった。 『やっと気付いたわね! 早くここから出しなさい!』 一気に強気な少女。 泣いて懇願していた割に立ち直るのは意外に早かった。 「あの、まだ五月ですよ? そんなところにいて寒くないんですか?」 『寒いって言ってるでしょおおおお!!? アンタバカァ!?』 だが天然な少年せいでまた泣きそうになっている。 「でも何で僕の家の冷蔵庫の中に?」 『ふにゃああああ!! そんなことどうでもいいから助けて!!』 「いや、どうでもよくないですよ!? 一体どうやって、いつのまに? 手品師のかたですか? もしかして両親がサプライズで呼んでくれたんですか? いやぁ、嬉しいなぁ!! それでタネも仕掛けもやっぱりないんですよね? もしよろしければこっそり教えてくれませんか? 僕、口はすっごい固いので誰にも話さないって誓いますので! 僕、気になります!」 『お願いぃ、後でいくらでも説明するからここから出してぇ……!!』 少女は冷蔵庫の中で本気で泣いた。
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