始めの話。

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気が付けば知らない場所に立っていた。上も下もないような空間。白なのか黒なのかも分からない空間で、俺はフワフワと浮いていた。立っているのに浮いている。そんな不思議な空間だ。自分が何故こんな空間にいるのかすら分からない。どうやってきたのかも分からない。なにもかもが曖昧で、不明瞭な場所だ。 「ここはどこだ?」 そうポツリと呟く。何かなんだがよく分からない。特に物はない。そして、俺以外誰もいない。いや、何もないと言った方が正しいだろう。 「ここは輪廻の間。そして、君は死んだんだよ、道長 変化(みちなが へんげ)くん」 「何故、俺の名を知ってるんだ?あと、俺はなんで死んだんだ?」 なんとなくだが、嘘はついていないように思うので、気になったことを聞いて見た。ここに来る以前の記憶が思い出せない。自分でも何をしていて、何があったかなんて分からない。自分の名前を聞いたのは愚問なのかもしれない。答えは出ているようなものだからだ。 「まあ、君は薄々気付いているようだから言っておくけど私は神だよ。で、何故君が死んだかは、こちら側のミスだよ。本当にすまなかった!!」 自分のことを神だと名乗る女性は、頭を下げ俺に謝った。 「本来君は死ぬべきでは無かったんだ。しかし、別の世界の世界神のせいで君は巻き込まれ死んでしまったんだ。」 ん?巻き込まれた?何があった?そもそも俺は何をしていた?名前は分かっている。そこから、思い出せ!!確か俺は………。
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