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「どういうことだ?」
突然のことで理解が追いつかない。自分が死んだことは分かる。が、魂が死んだとはどういうことだ?肉体が死んだら魂も同時に死ぬんではないか?
「魂というのは、肉体が死んでも、数年は生きているんだ。幽霊などが、その例さ。鈴音ちゃんの場合は寿命が尽きてないので世界は違うけど、今の姿のまま生きることが出来る。でも、君は違う。寿命も尽きていないのに、強制的に殺され、魂も一緒に殺されたから、君はもう元の姿に戻ることができないんだ」
ぐるぐると思考を巡らす俺に、神は説明を続ける。大体理解出来てきたかも。
「要するに、俺はそのままの姿で転生出来ず、天堂はできるってことか」
「少し違うね。君は魂ごと死んだのだから、転生することが出来ないんだ」
「は?なら俺はどうなるんだ?」
魂が死んだのなら、なぜ俺はここにいるんだ?転生もできないのなら、俺は意識すらないのではないか?そんな俺の疑問を込めた問いに、全て察したかのように、神は答えた。
「正確には、魂の核が残ってたのさ。ああ、魂の核ってのは記憶や能力など、大切なものが詰まっているものさ。で、その核を回収した後、仮の入れ物にぶち込んだんだ。これから、君は転生してもらうよ。赤ちゃんからね。せめてもの償いに能力をあげるけど、どうでも良さそうだから適当に入れとくね。あと、鈴音ちゃんも赤ちゃんから、転生するそうだから。最後に、私は創世神、最高位の神だよ。では、いい人生を」
「は?ちょまっ…………」
彼女のマシンガントークが終わると、俺の周りに魔法陣らしきものが現れた。
「あ、君が転生する世界は、剣と魔法のファンタジー世界だから」
意識が消える寸前、そんな声が聞こえた。
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