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「創世神様、本当に宜しかったのですか?彼を、転生させても」
「大丈夫だよ。彼は強い人間だ。本当に人間なのか疑うくらいに」
「ですがこの問題は、ただの人間に任せるようなものでは……」
「それなら大丈夫だよ?彼はただの人間じゃない」
変化がいなくなった部屋で、神とその側近とおぼしき背中から翼を生やした者がそんなやりとりをしていた。翼を生やしたもの……天使……は不安そうな顔をして、神に問いかける。神は、少し悲しそうな顔をして、変化がただの人間ではないと返す。
「それはどういう………」
「この話はここまで。鈴音ちゃんの方もそろそろ終わりそうだからね」
神は変化のことについてさらに聞こうとしていた天使を静止した。これ以上は話せないとばかりに。
「このことは君は知るべきでは無いんだよ」
天使に神がそう言った直後、神の後ろに神より小柄な元気そうな少女が突然現れ、口を開いた。
「鈴音ちゃんの転生は終わったよ」
「ありがとう、終焉神」
「いいってことよ!他でもない創世神の頼みだからね」
そう告げた終焉神に、ほんの少しだけ、創世神は頭を下げた。
「そう言ってくれると助かるよ」
ハニカミながら軽く返す終焉神を頼もしく思い、フッと笑う。ちなみに天使は、すでに役目に戻った。
「鈴音ちゃんはなんて?」
「『変化といれるならどうだっていい』ってさ。愛されてるね~」
「そうか………」
「君はしっかりしなくちゃ!落ち込んでる場合じゃないよ」
「うん、そうだったね。ありがとう。私もしっかりしなくちゃ」
「そうそう、その顔!落ち込んでたらみんな心配しちゃうから」
そう言って、創世神を励まし、自分もやるべきことをするため、この場から去るのだった。
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