運命の花

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翌日、相変わらず不思議に思いながらも、バークは仕事へと出掛ける。 そして夕刻。 「まあ……今日は何も変わらんだろう」 そう呟きながらバークは自室の扉を開け、中へ入った。 すると…… 「……これはどういうことだ?」 バークが買った花が、前日花瓶に移し変えられていた。 それに加えて、なんと花自体が増えていたのである。 「……訳がわからん」 一体何をしたいのか。バークは日々悩みながらも業務を続ける。 しかし一向にその訳を掴めず、それどころか帰って来る度に花は増え続け、最初たった数本だけだった花束は、いつしか見るものの心を虜にする美しいものへと変わっていた。 「誰なんだ……?」 とうとう自分で考えることを諦めたバークは、再び受付員のもとへ赴くと、 「私の部屋に花を飾っている理由が知りたい。誰が花を増やしているのか突き止めてくれないか?」 と、ホテルに依頼した。
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