傷を抱えて

4/7
前へ
/37ページ
次へ
やがて彼を乗せた車両は、とある場所で停車した。 東京.帝国ホテルである。 彼は相変わらずの曇った表情で足を下ろすと、持参した荷物を抱えてホテル内へと入っていった。 「ようこそ、お待ちしておりました」 ロビーでは、帝国ホテルの従業員達が並んで頭を下げ、彼を出迎えた。 しかし、男はそれを見るや否や、更に表情を曇らせた。 従業員の1人が、そんな彼へと近づく。 「バーク様、お荷物をお部屋までお運びいたします」 そう言って従業員は手を近づけた。 しかし…… 「っ!触るな!」 アメリカ軍人ーーアーレイ・バークは、それを拒絶し手をはね除けた。 「必要最低限のこと以外では、私に関わらないでくれ!」 そう言うとバークは、部屋の鍵だけを受け取って自室へと上がって行った。 image=481239291.jpg
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加