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やがて彼を乗せた車両は、とある場所で停車した。
東京.帝国ホテルである。
彼は相変わらずの曇った表情で足を下ろすと、持参した荷物を抱えてホテル内へと入っていった。
「ようこそ、お待ちしておりました」
ロビーでは、帝国ホテルの従業員達が並んで頭を下げ、彼を出迎えた。
しかし、男はそれを見るや否や、更に表情を曇らせた。
従業員の1人が、そんな彼へと近づく。
「バーク様、お荷物をお部屋までお運びいたします」
そう言って従業員は手を近づけた。
しかし……
「っ!触るな!」
アメリカ軍人ーーアーレイ・バークは、それを拒絶し手をはね除けた。
「必要最低限のこと以外では、私に関わらないでくれ!」
そう言うとバークは、部屋の鍵だけを受け取って自室へと上がって行った。
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