傷を抱えて

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そんな彼がこの日本へ来た理由は、勿論観光などではない。 GHQ指導のもとで民主化が進められる日本にて、参謀副長という立場を一任され、日本での間接統治を進める1人として渡ってきたのだった。 敵であった日本の復興作業。 何より仲間を沢山殺めてきた連中の国を助けることが、バークは嫌で嫌で仕方がなかった。 しかし、自分は軍人。 上からの命令には必ず服従しなければならない。 募る苛立ちや憎しみを必死に抑えつつ、アーレイ・バークは淡々と業務をこなしていくのであった。 勿論その間、日本人と一切会話を取らなかったのは言うまでもない。
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