運命の花

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アーレイ・バークが参謀副長として、日本へ赴任してから1か月後。 「バーク様、お疲れ様です」 「…………」 相変わらず従業員の声を無視して、バークは業務を終え自室へと戻った。 「相変わらず煩いやつらだ……」 そんな独り言を吐きながら、彼は室内を見渡す。 そして、こんなことを思った。 ーーなんて殺風景なんだこの部屋は。 余りの色合いの無さに、バークは明日何か飾り気になるものを調達してこようと決め、寝床についた。 ーー翌日. いつものように業務を終えたバークは、花屋で数本の花を購入してホテルに戻った。 自室に入るとコップに水を注ぎ、そこへ買ってきた花束を生けた。 彼はそれをテーブルの上に置き、ベッドに腰かけてその様子を眺めた。 「……ま、何も無いよりは幾分かマシだろう」 そう思いながら数回頷き、彼は布団を被って目を閉じた。
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