【おかしな大名・牧村利貞】

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  「あ、起きはった。」 馴れた陽射しの前に居るのに 射し込む陰りが不思議と、更なる眩しさを運ぶ。 「……なに」 「遠征の土産にて貰たんです。いつもんとこの、わらびもち。」 「お邪魔してお茶してまーす、牧村さん!」 「遅ようございます、牧村さん。」 次々と耳へ飛び込む声。 僕は目眩にも似た感覚を直ぐ様、体現してしまう。 「まだ寝らはるんですか?」 「…僕の家だ、僕の勝手」 「いや、今日は俺ん家です。」 「うるさいよ。」 「…ま、鈍らへん程度に。」 「余計な お 世 話 。」 「痛いし。足で叩かんといて下さい。」 「あははっ。牧村さん、お行儀悪いです。」 「査定-1、ですね。」 (……本当に、うるさい。) 「其れら」は僕にしてみれば、「雑音」に等しい囂しさ。 いつもいつも…飽きもせず三人で… まったく… ……。 「いやいや、寝込むん早過ぎやし。」 うるさい。  
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