5人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
「あ、起きはった。」
馴れた陽射しの前に居るのに
射し込む陰りが不思議と、更なる眩しさを運ぶ。
「……なに」
「遠征の土産にて貰たんです。いつもんとこの、わらびもち。」
「お邪魔してお茶してまーす、牧村さん!」
「遅ようございます、牧村さん。」
次々と耳へ飛び込む声。
僕は目眩にも似た感覚を直ぐ様、体現してしまう。
「まだ寝らはるんですか?」
「…僕の家だ、僕の勝手」
「いや、今日は俺ん家です。」
「うるさいよ。」
「…ま、鈍らへん程度に。」
「余計な お 世 話 。」
「痛いし。足で叩かんといて下さい。」
「あははっ。牧村さん、お行儀悪いです。」
「査定-1、ですね。」
(……本当に、うるさい。)
「其れら」は僕にしてみれば、「雑音」に等しい囂しさ。
いつもいつも…飽きもせず三人で…
まったく…
……。
「いやいや、寝込むん早過ぎやし。」
うるさい。
最初のコメントを投稿しよう!