第1話 桃太郎

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開き直り浅間に乗る桃太郎さん。 「鬼ヶ島に着いたら、主砲の20.3センチ砲を乱射、混乱しているうちに本陣を制圧しましょう。」 雉が過激な作戦案を提案します。桃太郎さんは、それなら自分が戦わずに済みそうだと即決で了承しました。 すぐに鬼ヶ島へと到着します。大きな船体の浅間はすぐに鬼に見つかり、砂浜に鬼が集まり出しました。 「では桃太郎さん、主砲の弾込めをお願いします。」 「へ?何で俺が?」 最新の軍艦と違い、この浅間には自動給弾装置なんて搭載されていません。 主砲を撃とうとするならば、砲を装填角度に合わせ砲弾を装填。炸薬を詰めて尾栓を閉め、発射角度に砲身を調整します。 これだけの手順を踏まなければ、軍艦の砲というのは撃てないのです。 「手が使えるのは桃太郎さんと猿だけです。急いで下さい!」 雉が言う通り、犬と雉では物を持つ事が出来ません。桃太郎さんは急いで主砲塔に駆けていきました。 「桃太郎さん、砲は装填角度のままで撃ちます。急いで!」 砲の角度調整を終えた猿が、尾栓を開けて待っていました。桃太郎さんは急いで主砲弾を込めます。
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